子どもの英語教育に、
・これから着手する家庭
・着手して間もない家庭
・ある程度経験のある家庭
のいずれでも、参考になるガイドブックのご紹介。
『おうちでほぼバイリンガルの育て方』
(主婦の友社)2019/12/25
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今年度から、小学校での英語教科化が始まった。息子はまだ2年生だけれども、親としては、本格的に英語教育について考えなければ、と気になってきた。
我が家は、夫も私も海外居住経験があり、ある程度英語はできるものの、息子の英語教育については、幼少期から”熱心に”取り組んだわけではない。自分たち自身が、”熱心に”英語教育を施す親のもとで養育されたわけではなかったので、息子についても、親が率先して英語教育にどっぷり浸からせなくても、なんとなるだろう、と楽観的に考えていた。
一応、息子が赤ちゃんの頃から、なんとなく英語に触れる機会は作ってきた。おかげで世界には「英語」なるものが存在することは知っているが、現時点では”英語ができる子”には育っていない。そして、気がついたら、周囲には英語教室に通っているお友達が増えている、今日この頃。教育熱心なエリアに住んでいるものだから、出遅れたか???と、ちょっと焦る気持ちを抱えながら、まずは手軽そうに見えて手に取った本。
『おうちでほぼバイリンガルの育て方』を読んだ感想と備忘録
1. 総評:★★★★☆
「日本でバイリンガルを育てた母親」4人(廣津留真理さん、行正り香さん、喜田悦子さん、小田せつこさん)による、英語子育て経験や一般家庭でも取り入れられそうな方法を紹介した本。子育て中の多忙な母親でも手軽に取れ、気軽に読めるように、との配慮だろう。全160ページと薄い中にも、ぎゅっとコンパクトに4家庭4様の「成功メソッド」、「バイリンガル子育てお悩みQ&A」、「専門家アドバイス」が入っている。まずは、どんな方法があるか手軽にヒントを得るための本、というイメージ。
注意すべき点としては、全4家庭が遅くとも3歳までに英語教育を始め、うち3家庭は家庭で英語教育を本格的にやっていたこと。残り1家庭は幼少期からの英語教室通いで2回挫折をし、小学生から家庭学習に切り替えたとのこと。家庭での英語教育を進めた2家庭では、子どもが8歳までに英検準2級に合格。別の1家庭では、子どもが6歳くらいから長編映画を英語で視聴し、海外の小学校に体験入学ができるレベル。なので、小学低学年から英語教育を始める家庭においては、特に初期段階では、全てをそのまま実践するのは難しそう。子どもの様子を見ながら取捨選択する必要がある、というのが私の感想。というのも、日本語/英語という認識がまだない赤ちゃんには、英語CDかけ流しをしても嫌がられないけれど、ある程度大きくなった子どもは、嫌がる確率がとても高いから!(笑)
一方で、子どもがまだ乳幼児の家庭では、(親はそれなりに大変だろうけれど)そのまま真似できそう。
また、ある程度の年齢の子どもであれば、行正さんのアプリや、小田さんが紹介している高学年からの英語学習方法は参考になりそう。
2. 息子と英語学習(挫折の歴史)
息子が生まれた時、バイリンガル教育ということまでは考えていなかった。けれども、英語の音声には慣れさせたいと思っていた。赤ちゃんの頃は、家で英語のCD(マザーグース、童謡、昔話など)を流し、少し大きくなると英語動画を見せることもした(DWEは高額すぎて購入を断念)。近くにバイリンガル保育園ができたと聞くと、転園も視野に、入園説明会にも参加してみた(保育料などがあまりに高額で断念)。
ところが、息子が3歳くらいのある日、いつものようにBGMとして英語CDや動画を流そうとすると、「(英語で)何を言ってるかわからない動画は見ない!」、「考え事を邪魔されたくないので、英語のCDをかけないで!」と断固拒否されてしまった。なだめても、時間を置いても、頑なに拒否。仕方がないので、しばらく放っておくことにした。
それから1年ほど経ったあるとき(4歳6ヶ月・保育園の年中)、近所に英語教室が新しくできた。教室の前で若くてかわいいお姉さんが、風船を配りながら無料体験の案内をしていた。かわいいお姉さんが大好きな息子は、ニコニコしながら風船をもらいに行き、無料体験をしたい、と私にせがんだ(笑)。お姉さんと風船に釣られたんだな、と内心思いながらも、再び英語に触れるチャンスを逃すまい、と早速申し込んだ。
英語教室は外国人の先生と日本人の先生のペアで教えてくれた。1クラス5人の少人数で、教材もよくできていたが、英語で遊びながら学ぶ、という方針だったので、雰囲気は良いが、進度はとても遅かった。それなりの月謝を払いながら通うので、親としてはモヤモヤする気持ちがムクムクと湧き上がってきた頃(約1年経過)、クラスのお友達は自分以外、全員女子であることに気づき(今さら!遅っ!笑)、男子がいるクラスへ変更したがった。そこで、別のクラスに変更してみたのだが、そこでの経験が強烈すぎた。そのクラス、生徒は暴れん坊男子1人だけだが、物凄く英語教育に熱心な母親が毎回、同席してレッスンを受けていた。で、その母親がいかにもデキる人ってオーラを漂わせているのだが、いっつも怖い顔をして息子に英語で何事か注意をしているのだ。おそらくADHDか何かなのだろう、その息子。確かに落ち着きがなく、ずーーーっと動き回っていて、それに対して母親がピリピリしながら同じ教室に1時間も座っているのだから、うちの息子も怯えてすっかり英語嫌いになり、結局、小学校入学のタイミングに合わせてやめてしまった(泣)
本書を読み終えた後に我が家での英語教育を振り返ると、我が家では、「ほぼバイリンガル」に育てた家庭と比較して、乳幼児期に触れさせた英語の時間と量が、十分ではなかったようだ。 喜田さんは、子どもが1日平均2〜3時間、英語をBGMとしてかけ流していたというし、小田さんは、テレビや動画視聴はすべて英語に制限していたという。私の場合、心のどこかで、日本語と英語がごちゃごちゃになってどちらも中途半端になってしまわないか?という恐れを抱いていたからだと思う。しかし、日本語をおろそかにせずに接していれば、決して心配することはないのだ、というふうに思える。
3. 本書に登場する母親たち
廣津留真理さん:
地方公立高校から塾通いなしでハーバード大学に現役合格した娘を育てたお母さん。大分市で英語教室を開いており、<ひろつるメソッド>の考案者。
行正り香さん:
娘のために英語アプリ<カラオケEnglish>を開発・主宰。1日8分、声を出して英語をマスターするメソッド。料理研究家。
喜田悦子さん:
学歴なし、お金なし、英語できない3ナイ主婦でも息子がバイリンガルに。東大に推薦合格も果たす。ベビーパーク 英語育児部門 統括責任者。
小田せつこさん:
動画で英語を大量インプット。娘は海外留学を経て英語教育の研究者。息子は公認会計士。金城学院大学教授。
まとめ:我が家で参考にしたいこと(備忘録)
本書で紹介されているメソッドは、それぞれの親が自らの経験で成功した方法を導き出したもの。我が子に、そのまま当てはまるかどうかは、やってみないとわからないが、まずはこれを出発点として試行錯誤してみたい。
<廣津留さん>
- 大きな声で英語絵本のなぞり読み
- 文章を丸ごと暗記。いちいち教えない。単語を大量インプット。
- 楽しんで覚えることを最優先。間違っても訂正しない。
- 飽きる前にやめる
<行正さん>
- 集中できる時間は8分
- 論理的な思考ができるようになるのは小学4年生頃
<喜田さん>
- オンライン英会話レッスン(1コマ25分)の活用
- 英語絵本の多読(100万語を読めば基本語彙600〜1200レベル)
<小田さん>
- 10歳以降は精聴と耳コピ発音に重点を移す
- 「精聴」とは、英語を意識的に聴くこと
- 「耳コピ発音」とは、聴いた音をまねすること。
- 英語教科書のCDを聴き、音読しながら発音練習。CDとハモれるくらいになれば、フレーズも構文も覚えてしまう。
- まずは教科書1冊、と範囲を絞る。何度も聴き込んで完コピする。
- 小学校高学年から集中的に学ばせることが、最も効率的に外国語を習得できる
- 英語へのお金のかけ時は子育て後半戦 ←重要!!
さて、息子が英語教室をやめて1年以上が経過。あれから、特に意識して英語に触れることはなかったが、ロボット大好き男子、『ロボット図鑑』で紹介されているロボットが海外製ばかり(特にアメリカ)ということに気づき、そこから英語に興味を持ち始めた。
息子は、もう7歳、まだ7歳。
三度目の正直で、今度こそ、本当に英語が身に付くまで、学習を後押しするぞ。
親が覚悟を決めて、英語家庭学習に取り組むぞ!!